牛のホオ肉(血の気の話なので弱い方はご遠慮下さい)

牛とろば

2006年06月20日 22:02



豚でいうところのトントロですね。
頬っぺたですから1頭で2個しか取れません。
合わせて約1kgくらいです。

昔は牛の頭を含む内蔵をと畜場に取りに行くところからしてました。
自分のところのコンテナなどの容器を入れたトラックで
畜産公社へ向かいます。
もちろん冷蔵設備のトラックです。

そこへ付くとさまざまな業者の方が来ていました。(もはや過去形)

・牛や豚の枝肉を取りに来た人
・内臓を一括で取りに来た人
・自分のとこの農場や牧場で育てたのを肉だけ引き取りに来る人
・皮の業者・・塩漬けにしたものをまとめて持っていく

などです。


かわなしの頭と内臓しっぽなどを運びました。
頭の部分から肉をとるのですが
たいした量は取れません。

BSE以降ホオ肉以外の部分は事実上姿を消しました。





これはそのホオ肉のワイン煮です。
特別にお願いして元ルネッサンスホテル総料理長の大滝末馬氏に調理していただきました。
煮込み料理はその時間と温度で全く異なるものに変化してしまうことを
この料理でいやというほど教えていただきました。
柔ければいいわけではなく、硬ければやはりダメ。
柔らかくてなおかつ味がしっかりと残るように仕上がった味は
忘れられません。


このほかには、本物の「コンソメ」



大量の牛肉から取った濃厚な出汁=コンソメです。
金属のスプーンで味が変わるのを防ぐためにスープカップでいただきます。
確かにうちのスープの味がしました。
大滝シェフは最初

「煮込むときに嫌なにおいが部屋中立ち込めるのを覚悟した」そうです。

しかし、それがなかったので一安心したとのこと。
ヨーロッパの牧草主体で育った牛肉はやはり変なにおいはしないとのこと。
和牛は大半がNGらしいです。

料理教室などで気軽に「コンソメなんかを教えてください」といわれるそうですが
見た目単純なだけに逆に難しいですし、どれだけ大量の肉を使うか
わかってらっしゃらないようなので、大抵はお断りしているそうです。

写真のスープを50杯くらいとるのに、肉やスジを約7kg使ったようです。

原価がわかってのコースでしたからコンソメ、コンソメと気軽には呼べなくなった気がします。(笑)





食器も一流でした。(よく分かっていないけど)


あなたにおススメの記事
関連記事